サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会
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身廊左側の第二祭壇にあるティッツィアーノの「カ・ペーザロの聖母」。 4.85m×2.7mのこの絵画は、ヴェネツィアの名門貴族出身のキプロス司教ヤコポ・ペーザロの命により、1519年〜1526年にかけて製作されました。 中央の青い衣の聖ペテロから聖母マリアに紹介されるのを待っている、画面右下の赤いマントを羽織った人物がヤコポ・ペーザロで、背後にいるのはその息子たちです。 画面中央部に聖母子を配置するという従来の伝統的な宗教画の構図ではなく、2本の巨大な円柱に支えられた玉座に座る聖母子が、他の登場人物群たちから成るピラミッドの頂点に配置されているという画期的な構図、絶妙な色使い、さらには肖像画としての卓越性などは、「ティッツィアーノの大傑作のうちの一つ」と言うよりも、「ヴェネツィア派絵画の重要な試金石」と言うべき作品です。 |
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聖歌隊席から主祭壇を望んだ様子です。 上へ向かって伸びる壮大な建築、二段階に徐々に上がっていく階段、後陣のステンドグラスの織り成す曲線とそこから差し込む光など、すべてがティッツィアーノの「聖母被昇天」の絵画、その一点に向かって集中しています。 この主祭壇を見る者は、たとえ信仰があろうとなかろうと、言葉では表現できないある種の精神的な高みの存在を感じることができるほどです。 |
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主祭壇に向かって左側の壁面にあるヴェネツィア共和国元首ニコラ・トロンのモニュメント。 1471年から2年間、ドージェの職にあったトロンは、その私財を共和国に寄付して国の経済的な危機を救いました。 1499年にアントニオ・リッツォによって制作された記念碑の下段中央にトロンの立像がありますが、下から三段目中央のように、本人が横たわった形で表現されるのが一般的だった当時の墓碑としては活気的なデザインとなっています。 このルネサンス様式のモニュメントも、信仰、慈善、謙虚、知性、調和などのアレゴリー像によって装飾されています。 |
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元首ニコラ・トロンの墓碑と向かい合う形の主祭壇右側の壁には、歴代ヴェネツィア共和国元首中の名君の一人と言われ、1423年〜1457年までその職をつとめたフランチェスコ・フォスカリの墓碑もあります。(見にくいですが写真右端) こちらは15世紀半ばにフィレンツェのニコロ・ディ・ジョヴァンニによって、ゴシック様式で造られました。 主祭壇の左側にはウンブリア派の芸術家による13世紀の木製の十字架があります。 |
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