ドゥオモ Duomo 1


 

ミラノのランドマーク、ドゥオモ。1386年、ミラノ公ジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティの命により着工されたイタリア最大のゴシック様式です。(イタリアは、ドイツ、フランスなどとは異なり、いわゆる『ゴシック様式』の建築物が大変少ないのですが。)

内陣は15世紀に、身廊は16世紀に、ファサードはナポレオンの指揮下で1813年に、そしてファサードの5枚の青銅扉は20世紀になってからやっと完成しました。

ドゥオモ前の広場Piazza Duomoはいつでも各国からの観光客でごった返しています。
ちなみに2003年3月現在、ドゥオモのファサードは修復中で、全面に覆いがかけられていました。

   

 

小尖塔の数は全部で135本だそうですが、その中でも頂上にあるのが1774年製作の黄金の聖母像Madonninaです。

なぜかこのときだけ見られた、イタリア国旗のトリコローレを持っていたMadonnina。

ちなみに、ミラノを本拠地とするサッカーのA.C.MilanとInter Milanoの直接対決(ダービーマッチ)は、
Derby della Madonninaと呼ばれます。 

   

 

教会内部は五廊式の身廊と三廊式の翼廊が交差しています。総面積は12,000平方メートル、奥行きは157mという大規模なもので、とても写真にはおさめきれません。

ドゥオモ建設以前にも4世紀中ごろ、あるいは9世紀ごろにはこの場所にはいくつかの聖堂が建っており、地下にあるこれらの旧聖堂の遺跡も見学できます。

   

 

 

写真左は翼廊の一部です。これだけでも普通の大聖堂の主祭壇ぐらいありそうな大きさ。

教会の内外には3,600体(外部には2,245体)の彫刻が飾られています。
なにしろ600年以上かかって完成した聖堂ですから、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココ、その他ありとあらゆる様式の彫刻があり、さながら『西洋美術史大全』そのものです。

 
見上げるばかりのオルガンも堂々たるもの。 

   

 

数え切れない彫刻、浮き彫りの中でも、南側の聖具室入り口の扉の上に注目。

14世紀、この聖堂の建設当時にゴシック様式の本場ドイツから招かれたハンス・フォン・フェルナッハによる、堂内最古の浮き彫りです。

ゴシック式尖塔型アーチの上段は『聖母の戴冠』、中段は『玉座の聖母子』、下段は『キリストの十字架降下』で、アーチの頂点は『キリストの磔刑』です。

当初は彩色されていたそうですが、いまはすべて落剥してしまっています。

 

「ドゥオモ・2」