サン・タポッリナーレ・ヌォヴォ聖堂 |
マギたちと聖女たちが向かう先の祭壇には、大天使たちを両脇に従えた聖母マリアが幼子キリストを抱いて玉座に座っています。玉座や衣装の荘厳さだけでなく、聖母の処女性を象徴する白いユリなどの足元の草花も色鮮やかに描かれています。 | |
身廊の右側には、聖マルティヌスに率いられた諸聖人たちが、玉座のキリストに向かって行進しています。 | |
「諸聖人(殉教者)の行進」。聖人たちの行進は、マントの白さがリズミカルに何度も繰り返されているので、左側の聖女たちの行進と比べて単調なイメージですが、それでも顔の表情やマントの襞は一人一人違って描かれています。 諸聖人のマントに描かれているアルファベットはそれぞれの聖人の名前の頭文字なのでしょうか? |
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各行進図の両端、聖堂の入り口に近いところには「王宮」と「三艘の舟が停泊するクラッセ港」が描かれています。 これは右側の諸聖人たちの行進の出発点にあたる「王宮」です。重みのあるカーテン、細かい装飾など、これがモザイクの小さなかけらによって根気強く造られたものだということを思うと、気が遠くなりそうです。 |
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この聖堂の行進図は、あくまでもキリストと聖母マリアへ向かうものなのですが、あたかも東ローマ皇帝と皇妃の元に各国の使者が貢物を捧げる「朝貢図」を思わせます。それは色鮮やかなモザイクによるうやうやしさや荘厳さがかもし出しているのでしょう。 | |