スフォルツァ城 Castello Sforzesco


 

FS(イタリア国鉄)Nord駅、地下鉄Cadorna駅を出てすぐのところに、広大なセンピオーネ公園を背にしたスフォルツァ城があります。

1450年にミラノ公爵フランチェスコ・スフォルツァが、14世紀のミラノ領主ヴィスコンティ家の城跡を改築した宮殿兼城塞です。

   

 

 

城の真正面から入ったところはかつて練兵場だった中庭です。胸間城壁や見張り塔など、一般的に「城」という語からイメージする優雅なものとは違って、いかにも要塞らしい無骨で堅固なつくりです。 
   

ここは城塞内にある高等工業美術学校のようですが、1477年という年号と、かつての領主ヴィスコンティ家の紋章が掲げられています。 

(写真提供:稲穂さん)

   

城内は、彫刻、陶器、楽器、衣装、コインなどなど、さまざまなジャンルの展示が続く広大な市立博物館になっています。

展示物をいちいち見ていたらどれだけ時間がかかるのか見当もつきませんが、歩き回るとルネサンス時代の城塞建築の内部がどうなっていたかを実際に見ることができます。 

   

膨大な展示物の中でも最も重要な作品は、ミケランジェロの「ロンダニーニのピエタ」であることは間違いありません。1552年から亡くなる1564年にかけて製作されたミケランジェロ最後の未完の作品です。

ローマのサン・ピエトロ大聖堂にある若々しい聖母が印象的な「ピエタ」とこの作品は、同じ芸術家による同じテーマとは思えない、とよく言われますが、25歳の時と最晩年では個人的な内面だけでなく、その背景となる時代の情勢も大きく変わっていたのだから、当然の変化なのでしょう。

 
あまりに展示物がたくさんありますが、「ロンダニーニのピエタ」を見て、あとはルネッサンス期の城塞の雰囲気を味わったら、気候がよい季節なら外に出てセンピオーネ公園でのんびりするのがおすすめです。